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独自の製法でオリジナル家具を製造、販売。顧客の要望に確実に応える事業体制とは
 ●「IDEC NOW No.15(2005年7月発行)」クローズアップより
有限会社オリエント工房 代表取締役 正 博章 氏

創立以来、オリジナル家具の製作を手掛け、木製家具製造業として順調な成長を続け る有限会社オリエント工房。独自の生産体制により顧客の要望を確実に実現し、高い評 価を受けている。
バブルが崩壊した後の1990年代後半、様々な企業が倒産に追い込まれる中、当時勤務していた正さんの家具製造メーカーも例外ではなかった。製作現場の責任者として工場内の改善に取り組む一方、自分の要望が通りにくい企業の体質、激しい価格競争。日本の企業がどう生き残っていくかを常に考え、追求した新しい事業の発想。それが今日の事業体質に生きている。
有限会社オリエント工房

全ての工程で技術を標準化し、必要なものを短期間で製作

オリジナルの製品を提供する上で、工夫している事は何ですか?
当社は「お客様からの要望を100%実現していく」ことを経営方針として事業を展開しています。また、同業他社が取り組めないような製品をお客様に提供するようにも努めていますので、できるだけコストをかけず、短期間のうちに製造するように工夫し、生産体制も当社独自のものとなっています。具体的には、当社オリジナルの機械を使用するということです。購入した機械をそのまま使用するのではなく、自分たちで様々な工夫を加えて改良しています。穴空け位置の標準化、位置合わせ治具の工夫なども行っています。また、誰が見ても理解できる説明書を機械の近くに配置しています。こういった標準化の工夫を全ての工程に組み込んでおりますので、短期間で正確な製造が可能です。ですから、例えば同じ製品を100個作る場合と、100種類の異なる製品を作る場合も、製作時間はそれほど変わりません。短納期のため流通在庫を寝かしておくということがないですし、製品を保管するための場所を確保するというコストも不要です。

社員の教育で気をつけて取り組んでいることは?
整理、整頓、清掃、清潔、躾。いわゆる5Sに関しては徹底しています。製造時におが屑などを散らさないように、吸引機で木を切る瞬間に吸い上げ、屋外の一定の場所に移動させるなどの工夫をしていますし、こまめに清掃しています。5Sを徹底することによりどこが汚れているかなど細かいところに気付くようになり、初めて製品の作り方や機械の手入れの仕方などが分かってきます。また、今の時代は手作業で製作することがほとんどありませんが、鉋かんなの研ぎ方など実際に道具を使って作業することを教えています。手作業で行うことを体で会得し、機械や材料の扱い方を身につけるよう指導しています。

端材などはどのような処理をされていますか?
どんなに小さな端材でも廃棄せず、100%使いきるようにしています。当社の場合、1つずつ異なる製品を取扱っていますので、製作する過程で上手く利用できています。端材を種類別に保存しているので探すのに手間がかからず、どんな小さな端材でも自然に使いきることができます。

無心で誠心誠意、石橋を叩いて渡るような気持で

会社を設立する際に、資金調達はどのようにされましたか?
創業してから1年間は個人事業主として活動し、その後、有限会社を設立しました。出資金、設立費用についてはすべて自己資金です。起業後は、コストをかけずに付加価値の高い製品を提供していくことを心がけました。当社では、製品を受注した後に必要な材料だけを購入していますので、金銭的に困ったことはありませんでした。

起業をする以前に予測していた事業展開と、現在の事業の在り方を比べていかがですか?
オリジナルの家具が欲しいというお客様の希望に応えながら、需要を増やしていく働きかけをしているので時間はかかりますが、予測していた方向に着実に近づいています。起業をする際には、確実に事業になると見定めることが必要です。石橋を叩いて渡るような気持で取り組まないと事業を始めてから大変ですよ。無心になり、お客様や事業そのものに対して誠心誠意で対応するしかないです。また、周囲へ協力を仰ぎ、できるだけ力を貸してもらうことも必要です。

営業活動についてはどのような方法を取られていますか?
工務店を中心とする約1万件の顧客へダイレクトメールを送る方法と、大手商社を経由したリフォーム会社等からの依頼を受ける場合と2つあります。独自に開発した製品もありますので、多くの反響をいただきます。お客様により好みの色、サイズ、機能などの要望は必ずあると考えていますので、その要求に確実に応えられるということをアピールしています。

横浜に拠点を構える理由は?
市場が近いということですね。神奈川県内だけでなく東京方面や関東一帯のお客様などへの交通の利便が良いということが理由です。当社では、短期間のうちに製品を製造し、時間をかけずに納品する事業体制ですので、お客様との距離ができるだけ近い方が効率が良くなります。配達に時間がかかり、在庫が増えると倉庫が必要になります。製造の工程、事業運営に影響が出るので、事業の拠点となる場所は非常に重要だと考えています。

今後の抱負についてお聞かせください。
当社の強みである、システムキッチンを柱とするオリジナル家具の販売を、今後も最大限アピールしていきたいと思います。機能に優れ、様々なサイズに対応できるなど、本当の意味でお客様の要望に応えられるのは当社だけだと考えています。今後も当社独自の、付加価値の高い製品作りをし、同業他社が取り組めないことを行っていきたいと考えています。また、新しい試みとしてインターネットによる販売を事業の中に取り入れていきたいと考えています。取り組む前にお客様からの反響がどの程度いただけるのかある程度予測し、対策を考えていくことが今後の課題です。そして輸入家具の販売を手掛ける企業と協力し、お互いの強みを寄せ合いながら事業展開していきたいと考えています。これからの日本の企業が生き残っていくためには、単に価格競争をするのではなく、お客様の要求を増やしていき、それに応えていく事業体制、物作りを推進していくことが大切です。

ワンポイント

今回は工場長時代の経験を生かしての事業で、キッチンなどの水回りを中心とした住宅設備機器の販売とこれらに合ったオリジナル家具や注文家具等の製造をしています。ややもするとオリジナル家具の企画や設計ばかりにとらわれるのですが、工数低減のための工夫を行って収益性向上を目指しています。工場もよく整理整頓されており、工数低減のための標準化や治具の工夫などが随所に見られました。
企画販売面では、狭い日本の住宅事情を考えたキッチン用スライド式隙間収納庫など、お客様のニーズを考えた新しいオリジナル家具をラインアップすることにも力を入れ、取引先にダイレクトメールを送るだけでなく、本社兼工場には小さなショールームを付設し、自社のカタログに掲載してあるオリジナルシステムキッチンを展示するなど、バランスのとれた経営です。
オリジナル商品があるので、是非ともHPを作成し営業に活かしていくべきでしょう。
アイランドキッチン(オーダーキッチン)

アイランドキッチン(オーダーキッチン)



有限会社オリエント工房 有限会社オリエント工房
〒226-0021 横浜市緑区北八朔町1313
TEL.045-933-6919  FAX.045-933-9898
○事業内容
 厨房機器・住宅設備機器・家具製造販売

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